感想は不愛想

春ごろに調理鍋を買うか旅へ出かけるかと悩んでいたが、

Sランクの宿に(ランクは旅行会社が決めたものでSランクは最上級)、

2連泊する旅が勝ってしまった。

山奥にあるその宿は、部屋がとても綺麗で広くゆったり過ごすことができた。

私が今までに宿泊した中では一番に広いかな。でも、

部屋へ入ってすぐにトイレへ行こうとしたら、引き戸の扉が開かず、

一階へ降りてそちらのトイレを使用する。

また、二日目に帰ると入り口の扉が開かず、ドアノブをガチャガチャと上下させ

強引に押すと開けることができた。

冷蔵庫の前のフローリングは、四半世紀前に建てた我が家でさえも出さない

大きなギシギシと言う軋み音を立てた。

そこは洗面所への通過地点であり、さらにその奥にトイレがあり、

滞在中何度も騒がしくしてくれた。

どうして修理しないのだろう。Sランクだよねえ。

食事は品数があったが味は普通かな(私の舌の衰えのせいかもしれないが)。

地元のブランド牛が一日目はしゃぶしゃぶ、二日目はすき焼きとして出てきて

その牛肉はとても美味しかった。私は肉が大好きなのよね。

その食事時に、従業員の方が食べ終えたお皿を片付けようとして、

夫のすき焼き用の生卵の入った皿をひっくり返してしまった。

夫の浴衣、丹前まで汚れた。「申し訳ありません」と言うが、

その向こうの小さな子連れのテーブルでも皿がひっくり返るような音がして、

「あらあら、あっちでもこっちでも」とその従業員は言った。

あっちはどうでもよいが、こっちはあなたが原因ですから。

この言い方だと夫が悪いみたい。仮に夫が悪くともその言い方はどうだろう。

そんなこんながあり、このお宿は旅行前の私の期待を見事に裏切ってしまった。

でも、クレームなんて入れてない。

本当にがっかりしたのは、従業員の不愛想だったから。

もしかして、ブラック企業で皆さんお疲れなのかもしれないし、

Sランクの宿は、笑顔を見せてはいけないのかもしれないしね。

しかし、今度は私に笑顔を頂戴ね。