山歩き

女の好きなものの一つに、山歩きがある。

そこは駐車場から少し登ると山頂があり平らになっている。

眼下には大海原が広がり、島や半島、港、船などが見渡せる。

陽の光がキラキラと反射して眩しいほどだ。

南斜面にはもう河津桜が咲き、紅白の梅と競演している。

さあ、ここから向こうの山まで歩く。

下って登り、下って登りと繰り返し尾根伝いに進む。

一部転落しそうな注意どころもある。

植物を観察したり、鳥の声を聴いたり、のんびり歩く。

落葉樹のおかげで視界が良く下の様子がわかる。

とてもさわやかで、気持ちが良い。

しかし、女は挨拶をしない。

向こうからしてきたときには、一応礼儀として返すのみ。

山はちょっぴり面倒だ。